束の間の盆休み。
田舎での3日間。
仕事に忙殺され、気力を使い果たした心身に短時間で英気を養うには、精神が望む方向に的確にマインドをトリップさせないと…と、
そのために飛んで行くべき心象世界をできるだけ明確にイメージして、そのために必要な行動やアイテムを選定する。
1つは、ソローのこの本。
人里を離れ、森の中の湖のほとりで暮らした哲人の思考。
ソローの意識に共鳴すると、良い感じで俗世を離れて自然の中に飛んで行けるので助かる。
夏真っ盛りのこの時期のリアルな自然は蒸し暑いし蚊がいるし、いろいろと大変だけど、
エアコンの効いた部屋で自然を横目に読む「森の生活」は、ストレスゼロで意識を大自然の中へと連れて行ってくれる。
意識を的確に望むところにトリップさせること。
そう。
僕が田舎に帰ることで期待しているのは、都会では絶対に得られないある種のフィーリングを得ることだ。
そして、今回の帰省でそれが一番成されたと感じたのは、 実家周辺の路地を1人で深夜徘徊することによってだった。
深夜1時。
何も目指さずに、何者にも成ろうとせずに、ただ日々暮らしを営む人達だけが住むこの路地の夜の静けさは独特だ。
自分の中に最近足りてなかった何かがたっぷりと満たされていく。
上を見上げると山の稜線と、その上には星空が広がっている。
深夜1時の廃墟。
時間が流れることなく堆積していってるような、この感覚がたまらない。
しばらく歩くと意識は勝手にスイッチして、普段とは全く違う精神状態になる。
移動距離は問題ではない。
フィーリングを研ぎ澄ませば、時間と意識だけを使って普段では絶対に行けない世界を旅することができる。
癒される…。
浮かんできた言葉をスマホにメモする。
『夜を恐れることなく、背景に押しやることもなく、
夜の美質を引き出して一緒に遊べる人間は魅力的だ。』
誰がということではなく、きっとそうなのだろう。
恐れることなく変な人で行きましょう。
どこまでも歩いていけそうな気がした。
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