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美しき教育は同時に、師の人の深さも教えていた

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日本語の名文ベスト1を選ぶとしたら僕は迷わず以下を選ぶ。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり

沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を顕はす

奢れる者久しからず、ただ春の世の夢の如し

猛き人も遂には滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ

平家物語の序文より

それにしても、なんという美しさだろうか。

中学の頃、初老の国語の先生が、教科書に載っていたこの文を読んで、

「今の君たちにはわからないだろうが、いつかはきっとこれが分かる時が来る。」と語っていたのを、今でも覚えている。

そして、「先生が言っていたのはこういうことだったのかと、はっとして思い出す時が来るだろう。」と。

その国語の先生自身もまた、師にそう言われて教わり、40を過ぎてたある日、はっとしてその真意が解ったと思える瞬間が来たのだという。

諸行無常

つまり、「形あるものはいつかは滅びるのだ。」と、歳を重ねると僕らにもそれを実感する時が来るという意味だろうか? 

当時中学生だった僕は、そんな風に理解していた。

でも、違った。

意味でも解釈でもなかった。

今でははっきりと分かる。

それは日本人の心に通底する何かだ。

それにしても、

「今の君たちにはわからないだろうが、いつかはきっとこれが分かる時が来る。」とは、

これ以上の優れた教え方があるだろうか。

教えないことで教える。

教えないことでしか教えられない何か。

13歳の時に植えこまれた種が、20年以上の時を経て実を結ぶ、この教育の有り様。

見事としか言いようがない。

遂にわかったよ。高畑先生。

いや、高塚先生だったか、

ん? 高島先生だったかな…。

そのへんは曖昧になってしまったが…(笑)

20年を経て、ようやく僕にも受け取れたような気がする。

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