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2014年・夏

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人の潜在意識に中には生まれた瞬間から現在までの、それぞれの年齢でそれぞれに体験した「夏」の記憶が保存されているわけだけど、

意図すればそれらのどの記憶にもアクセスすることができ、どのバージョンの夏をも再体験することができる。

子供の頃の虫捕りに熱中した記憶も、麦茶やそうめんの昭和の空気感も、宿題のプレッシャーも、祭りの熱狂も、お盆の線香の匂いも、青年期の甘酸っぱい恋の感覚も、大人の夜の開放感も、そこを通りすぎて行った何人もの親密な人たちとの時間も、

それぞれの年齢で体験した「夏」の感覚が、今ここで体験している夏の暑さと日差しと汗のベタつきを通じて再体験されていく。

それが歳を重ねることの豊かさなのだと最近は思う。

心理学でいう「投影」とは、過去の記憶や感情を映写機の光のようにして現在に写しだす現象を言うが、それはネガティブなものとしてだけではなく、豊かでカラフルなフィルターとしても使うことができる。

今体験しているこの2014年夏という時間の一瞬一瞬に、小学生のキラキラした夏休みの開放感も高校生の冒険に満ちた夏も、大人の色気ある夏をも引き出し、時空を超えて同時に生きるということ。

だからこの夏は僕にとって39年間の厚みと豊かさを帯びた夏なのであり、それはもう爛熟と言って良いような密度ある時間を生きることなのだ。

大げさなようだけどそれは真実で、歳を重ねるほどに日常は色濃く豊かになっていくものだと最近はつくづく実感している。

そして今年もまた新たに誰かと出会い、新しい記憶が刻まれるのだからたまらない。

記憶のモザイクを織り成して、そこを「今」が響き渡っていく。

さあ、夏ですぞ。

狂おしいほどに暑い。

これこそが紛れもない夏ですぞ。

一瞬一瞬がいちいち愛おしい。

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