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他者の力で夢を叶える

先日は主催している月1のワークショップでした。

そこでビジネス書の名著『7つの習慣』の中の幾つかの考え方やフレームワークを使って、今の自分の生活や方向性を見直すことを行いました。

ちょうど開催日の3日前の7月16日に、著者であるスティーブン・コヴィ博士が逝去されたのを知り、こんなタイミングで彼の知を使ったワークショップをすることになった偶然に驚き、背筋を正される思いがしました。

氏の偉大な仕事に最初に出会ったのは10年以上前。大学を出たての頃に本屋で手にとったこの本(7つの習慣)によってでした。

当時の僕は文学畑の人間で、ビジネスや自己啓発という概念を持ってなかったため、何を言ってるのかさっぱり理解できなかったけれど、それでも何かとても大切なこと、人生に激変を起こすような何かが書いてありそうな雰囲気だけは肌で感じていました。

それから『7つの習慣』は引っ越しのゴタゴタで処分されたり、また古本屋で100円で買い戻されたり、誰かにゆずったり、また買い戻したりしながらもご縁は続き、その度に少しずつ氏のフレームワークは僕の人生を修正して行き、ついにはそれを人に伝えるというところまで育って行ったわけです。

この偉大な恩恵に感謝しつつ、氏のご冥福をお祈りいたします。

さて、昨日は「重要ー緊急のマトリクス」と「卓越した役割」というテーマを使いましたが、その中の役割の部分の掘り下げはとても面白かったので、少しシェアしたいと思います。

1人の人間の中にはたくさん人格、役割があります。

会社の一員。上司、部下、父親、夫、主催者、PTA役員、芸術家、恋人、友人、遊び人 などなど。

これらいろんな役割が、生活の様々な側面で顔を出している。

だから、「自分を成長させよう!」とか「自分を向上させよう!」というような曖昧な方法ではなく、自分の中の1つ1つの役割にフォーカスして、役割ごとに育てて行こうというのが、コヴィ博士の考え方です。

自分の中に役割というたくさんの鉢植えがあって、それぞれに育て方が違うから、あるものは日陰に置いたり、あるものは日差しと水をたっぷりやったりしながら別々に育てて行くわけです。

面白い考え方ですし、心理学的に見ても真実ですね。

そして、それぞれの役割に一日にどれだけの時間を配分しているかを見てみると、自分が無意識に選んでいることが客観的に見えて、驚きます。

発揮できていない役割が怒っていたり。人生において一番大切だと思っているものを後回しにしていたり。十分に発揮しているつもりが0分だったり(笑)

更にこの「役割」という考え方に、いろんな質問をしていくと、自分の様々な側面が明らかになっていき、自分が今フォーカスするべき役割も見えてきて、進むべき方向が明かされて行きます。

そんなお話しとワークだったわけですが、準備しているうちに出てきた思いとして、個人的にとても強く訴えたくなったメッセージは、

役割には必ず相手がいるということです。

父であるには子供という相手がいる。上司であるには部下という相手がいる。カウンセラーであるにはクライアントという相手がいる。

それは、哲学的に言うと、相手が自分を存在させてくれているということです。

子供ができるまで、僕の中には父親という役割もキャラクターもありませんでした。でも子供が生まれたことで、庇護を必要とする娘たちの存在が僕を父親として存在させたのです。

同じように困っているクライアントが僕をカウンセラーとして存在させている。

他者が自分の人格や役割を支えている。他者が自分の存在を支えている。

さて、大切なのはここからです。

何かを目指そうとした時、最初は自分の存在を支えてくれるような他者は存在しないということです。

例えばもしあながたカウンセラーを目指しているとしましょう。

カウンセラーになると決めた時、「助けて欲しい」とあなたを求めてくれるクライアントはいません。だからあなたはまだカウンセラーとしては存在できないのです。

でも、それでも想像するクライアントに向けて、何かを発し続ける必要があるのです。

誰も自分ことなど求めてはいないのだけれど、助けを求めているだろう想像上のクライアントに向けて、言葉を発し続ける。学びを続ける。ブログを書き続ける。

そうするとやがては、それを見つけてくれる誰かが現れて、そのうちの何割かはあなたの能力を強く求めてくれます。

こうしてはじめて、その役割はこの現実世界に存在し始めるわけです。

だから想像の相手に向けて、自分の今持てる最高の言葉と才能を与え続けなければならない。

それは返事の無い相手に気持ちたっぷりのラブレターを送り続けるような不毛で消耗する作業だけど、それでもそれをやり続けなければならない。

ただし、ここに陥りやすい落とし穴があります。

多くの人が陥る落とし穴。

それは、カウンセラーとして想像上のクライアントに言葉と行動を発するのではなく、

「カウンセラーを目指す人」として言葉や行動を発してしまうことです。カウンセラーを目指す人としてブログを書く。カウンセラーを目指す人として勉強を重ねる。

その結果はどうなるでしょうか?

「カウンセラーを目指す人」に対して相手が生まれるので、当然「カウンセラーを目指す人を応援する人」という相手がたくさん集まって賑わっていきます。

そのような相手に支えられて、その人は「カウンセラーを目指す人」という存在になります。決してカウンセラーになるのではなく。

他者という偉大な力を使って、「目指す人」という夢追い人であり続けてしまうのです。

だから目指すのではなく、まずその者として立ってください。

誰も求めてくれる人がいなくとも、その者として立ってください。

そしてその位置から言葉を発してください。現実の創造はそこから始まります。

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