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5000万ダウンロードを突破したLINEは家族や恋愛を解体するか

今日初めてスマホを買ったという友人が、「いろんな人からLINEをやろう!って誘われるけど、LINEってそんなに良いの?」と訊ねてきた。

いつの間にやら5000万ダウンロードを突破して、驚くほどのスピードで浸透していくLINE。

この驚異的なスピードは、それだけこのツールが人間の欲求に合っているということだろう。

優れたテクノロジーというものは、その特質や利便性に対する驚き以上に、自然なフィット感がある。なぜ今までこれが存在しなかったのか? と疑問に思うくらいに。

今から12年前。ネットでのコミュニケーションと言えば、メールか掲示板しか無かったその頃、僕は仲良くしている何人かの友人を限定して、携帯電話の掲示板でつながりたいなと思っていた。

それぞれに違う場所で、違う現実を生きている友人が、それぞれの今を表現してシェアしながら、ゆるやかにつながれるクローズドなコミュニケーション空間。

そういうものがネット上にあれば、随分と日常が豊かになるなと思ったのだ。(まぁそれは実現はしなかったけど。)

最近、LINEのグループという機能を使ってみて嬉しくなったのは、それが12年前の僕の妄想を、想像以上にシンプルで楽しい形で実現してくれていることに気付いたからだ。

これは楽しい。

現在、僕は主催している勉強会の運営メンバー2人と、僕を入れて3人だけがコミュニケートできる部屋を作っている。

勉強会の今後の方針について白熱したやり取りをすることもあれば、「おはよう。今日は暑いですね。」というような、日常のやり取りもある。

また、僕が個人的な相談事を投げかけると、残りの2人がそれぞれにアイデアを出して相談に乗ってくれる。応援までしてくれる。

そんな風にお互いをサポートし合うコミュニティが、スマートホンとなって常にポケットに入っている。

発信したメッセージは、3人にしか見られることはないので、かなりクローズドでTwitterのような炎上はありえない。

この安心感。

そして、僕が必ずしも返信する必要もなく、勝手に残りの2人の間で話が盛り上がっていることもある。

このゆるさ。

なんという心地良いメディアだろう。

もう1つ今、勢いがあるソーシャルメディアと言えばFacebookだろう。

Facebookは、本名や学歴まで開示することで、既に交流の途絶えてしまっていた古い友人まで検索可能にし、再接続して見せた点で革命的だった。

でも、高校時代の旧友も、今のビジネスの友人も、近所のママ友達も、仕事のクライアントも…、とたくさんつながればつながるほどに安心して発信できる情報が無くなっていくことに気づかざるをえない。

ビジネスの話をすると、ママ友達を無視するような気分になる。あまりにプライベートを開示しすぎるとクライアントに対する信頼が損ないかねない。

結局は天気の話か、今日食べたランチの写真か、そんな当たり障りのないものしか発言できなくなってゆく。そのあまりに表面的な感じが僕の趣味には合わない。

コミュニケーションにおいて、つながる相手が多いというのは決して良いことばかりではないのだ。

そこで、LINEは逆にクローズドに関係を制限する。

勉強会つながり、ビジネスつながり、趣味のつながりなど、幾つものグループとのゆるやかなつながりに属しながら、1人ひとりはそれぞれの今、目の前にある現実に向きあう。

ショックなことがあれば、LINEに書き込めば、慰めやアドバイスがもらえる。

そしてそれが、いつでもポケットに入っていて、ほぼ身体化してしまっている。

そんな生き方の中で、僕らの「個」としての在り方は、どんどん変容してくだろう。

恋愛や家族というものの意味も在り方も、少しずつ解体されていくはずだ。

なぜなら、LINEがもたらすグループなどは、機能的には家族そのものだからだ。

現代に溢れている機能不全家族より遙かに家族的に機能している。所属感や承認、アドバイスなど、家族が持っていた精神的な役割を完全に肩代わりしている。

物理的な距離や生まれの違いを超えて、僕らは自由に家族を形成し始めている。

そしてバブル期であれば、外車やブランドなどのステータスを使って得ていた「承認」というご褒美が、今やお金を使わずともソーシャルメディアによって得ることができる。

人同士が経済を介さずにつながりはじめることで、人の物への欲望はますます希薄になり草食化していくだろう。

そんなに多くを求めなくても、競争しなくても、ぼんやりしていてなんだか幸せ…という新しい自我状態へと僕らは進化していくはずだ。

こうして新しいテクノロジーというものは、確実に人間の感性を変容させ、人間というもののの根底を作り変えていくのだろう。

「家族が希薄」という言説の上に、専門家達によるいくつもの議論と問題提起が繰り返される、その外側で、若者は悠々と幾つもの家族をポケットにたずさえて生きていく。

面白い時代になったなと思う。

お金から自由になり、家族など欲しいだけ複数持つことができ、恋愛ではこれまでの「付き合う」「彼氏彼女」という関係以外にも、恋愛的な深い信頼によって結び付くゆるやかなつながりを可能にするだろう。

そんな時代に今僕らは生きているわけだ。

深く深呼吸して周りを広く見渡し、今起こっていることの本質を見極めて、この時代を遊ぼうと思う。

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