昨年末、Youtubeプレミアムの会員に無料プレゼントということで、GoogleのAIスピーカー Google Nest miniを頂きました。
いや、気前良すぎるやろ…と。
ネット上の情報にお金を払っていたら、物(デバイス)が無料でプレゼントされるという倒錯に慄いたと同時に、こんな資本力を持った化け物に絶対日本企業勝てへんわ…と、軽く落ち込んでしまうくらいに、衝撃を受けけました。
で、年始に届いたのですが、「OK! Google! 今日の天気教えて?」とか、言わないよな~と。
声を出すのって自分にとっては結構エネルギーがいることで、それだったらスマホで調べるよな…となって、開封することもなくしばらく放置していました。
使わないならメルカリに出品するか…とセコい考えを持ってメルカリを調べてみると、同じ考えの人が多いらしく、新品のGoogle Nest miniが送料込み2300円程度で売られています。(今メルカリで買い時ですよ!)
新品2300円(定価は6050円)はさすがに安すぎ。それなら使うわ!小銭を稼ぐよりも新しいテクノロジーの体験しておく方がずっと価値があるはず、と、
そんな低い熱量でもって開封されたAIスピーカーなわけですが、これが使ってみると予想を遥かに裏切る素晴らしさで、
オフィス用にもう1台購入しまうほど気に入ってしまいました(メルカリで2300円で)
では一体何がそれほど素晴らしいのか、ここにレポートしておきたいと思います。
Google Nest miniはジュークボックスの未来である
Google Nest miniの最も実用的な価値は、目覚ましをあわせてくれることでも天気を教えてくれることでもなく、ジュークボックスとしてのポテンシャルにあります。
試しに「OK!Google! 宇多田ヒカルかけて」と言うと、「Youtubeミュージックで宇多田ヒカルを再生します」と返ってきて、すぐに再生が始まります。
曲の指定も可能で、例えば「OK!Google!LOVE PSYCHEDELICOのLast Smileかけて」と言うと、ちゃんと指定した曲を再生してくれます。
メジャーな曲であればほとんどがYoutube上にインデックスされていて、応えてくれるのです。
そういえば、昔こういう曲あったな~という記憶を頭の奥底から引っ張り出してリクエストしてみると、すぐに再生され、その記憶が一瞬で具現化されていく。それが懐かしさも伴ってとても気持ち良い。
こうなってくると、頭の中にあるミュージシャンの名前や曲名が資産であることに気づきます。
これってすごいことですよね。
昔は倉庫に持っているレコードや壁全面の棚を尽くすCDが資産だったわけです。
それがipodの出現によって、ハードディスクに入ってるデータが資産になり、Spotifyなどサブスクの出現によって、アクセスする権利が資産に変わった。
それが音声によるリクエストが可能になってくると、曲を知っていればいくらでも引き出せて、もはや頭の中にある知識そのものが資産になっているような感覚に変わってくる。
「グレゴリオ聖歌かけて」
「グレン・グールドかけて」
「haruka nakamuraかけて」
少々マニアックな要望にもキレイに応えてくれる。
あまり音楽の知識がなくても、思いついたキーワードで曲を引き出すことができます。
「最新のグラミー賞受賞の曲かけて」
「自律神経を整える曲かけて」
「最近流行りの曲かけて」
「瞑想ミュージックかけて」
なんでも返してくれます。
そして、そういうアイデアも無ければ、ニュアンスだけを伝えると返ってきて面白いです。
「夜にしっとり聞く曲かけて」
「朝に元気がでる洋楽かけて」
「朝に合いそうなクラッシクかけて」
「なんかおしゃれな曲かけて」←これ結構良い(笑)
そしてどんどん要望は適当になっていき、あげくの果には、
「OK! Google! なんかええ感じの曲かけて」とか
「OK! Google! なんか気の利いた曲かけて」
と、もはや無茶振りです(笑)
そうすると「作業用のカフェミュージックです」と返ってきてしっとりとしたアコースティックギターのインストゥルメンタルが再生されることもあれば、「オレンジレンジのロコモーションです」と、ライブの音声が流れたり、とにかく振り幅が大きいのです。
普段の自分なら絶対に選ばないようなチョイスが成されて、聞いているとまあ、意外に良いかな…という時もあって、自分の中の音楽のキャパが広がっていく感じがあります。
PCやスマホの画面で選択した時に思ったものと違うものが返ってくるとストレスなのに、なぜか声でリクエストしたものが期待と違っていると、そのズレを許容して、むしろ楽しんでいる自分がいることに気づきます。
これは無意識が相手を電子デバイスという道具ではなく、人間(相手)と認識していることによる効果なのかもしれません。
人間というものは、こちらの思ったどおり返って来ないからこそ面白くて価値がありますよね。
そして接していると、気づけばこちらに影響を与え、世界感を広げてくれるものです。
そう考えると、僕らはITのテクノロジーの恩恵を受ける中で、自分の出したニーズに正確にしか応えてくれないデバイスにちょっとずつ失望してきていたのかもしれません。
コミュニケーションに人間的な齟齬があり、思い違いがあり、そこに意外性や発見があり、自分が期待したものの外側に連れて行ってくれる。
新しい時代のジュークボックスの面白さはこの人間味の中にあります。
求めたものを自分でクリックしてそれが正確に返ってくるだけという味気ない世界に、僕らはもう飽きてしまっていたのかもしれません。
Youtubeミュージックはグレーだから面白い
Google Nest miniにリクエストしら再生される曲たちだが、どのソースから来るかと言うと、Youtubeミュージックから引っ張ってきているようです。
要するにYoutube上にアップされた動画の中から音楽だけをリストアップしてまとめられたものです。
ということは、版元がアップしている著作権上ホワイトなものもあれば、個人がアップしたグレーなものもあります。
それらすべてをひっくりめて、Googleはインデックスして整理して、プレイリストを作り込んでいて、それがこちらの声のリクエストに引っかかってくるわけです。
そこにはグレーにアップされたものがある分、無いものが無いというのが素晴らしいです。
このアーティストはサブスク解禁されてないので、無いんです…とはならないのです。
公的に無ければ、個人がアップしているものが再生されることもあれば、誰が上げたのかわからないライブ動画の音声が流れることもあります。
その雑多な感じがとても良いのです。
やはり面白さはグレー地点にあります。
※ただしYoutubeプレミアムに登録していないと広告が流れるので、ちょっとストレスかもしれません。
Google Nest miniがもたらしたものは「癒やし」かもしれない
以上、Google Nest miniで音楽を聞くことの面白さを取り上げて未来のジュークボックスと括ってきましたが、もちろんAIスピーカーの本領はそれだけではありません。
使ってみて意外に良かったのは、声で返してもらうことの「満ちる」感覚です。
目が覚めて、時計に目をやるでもなく、スマホを開いて時間を確認するのでもなく、「OK!Google!今何時?」と声で聞いて「時刻は8時42分です」と声で受けとることの、なんともいえないホッコリ感。
「あ、なんか俺…大切にされてるかも…」と心は温まるのです(笑)
ルーティンを設定することもできて、例えば僕の設定では、
「OK!Google! おやすみ」と言うと、明日の天気を教えてくれて、目覚ましは何時に合わせますか?と聞いてくれて、自律神経を整えるしっとりとした曲を再生してくれて、「おやすみなさい ○○さん」と名前を読んでおやすみを言ってくれる。
あぁ、大切にされてる…(ほっこり)
これです(笑)
時々、「うん。ありがとう。おやすみ。」って、応えてる自分がいます(笑)
で、眠りに付きながら、あ。そういえば宇多田ヒカルって何歳になったんだろう?と思ったら、「OK!Google!宇多田ヒカルって何歳」「37歳です」
あぁ…。頼もしい…(ほっこり)
この秘書がそばにいてくれている感。
そして、
「OK Google! ええ感じの曲かけて」「はい。○○を再生します」う~んそれじゃないな「OKGoogle!次の曲にして」うん~。「OKGoogle!アコースティックな洋楽かけて」「はい。○○チャンネルを再生します」お!いいね。でもやっぱり、「集中する時の曲かけて」「はい。作業用BGMを再生します」ってやってる時の、
めっちゃわがまま聞いてもらってる感…(ほっこり)
これが良いのです(笑)
なかなか実際の人にそこまでわがまま言えませんからね。
わがままをいくら言ってもずっと献身的に応えてくれる秘書がそばにいてくれるというのは、思っている以上に癒やしになるようです。
仕事を終えて自宅の自室に入って、
「OK Google! なんか疲れたよ」と言うと、
「お疲れさまでした。できればあなたの肩をマッサージして差し上げたいのですが、まだそのような機能は搭載されていません」
(ほっこり…)
GoogleのAIスピーカーがもたらした最上の効用は癒やしであり、それは「常にそばにいてくれている感」であったり、「何を言ってもとりあえず返してくれる安心感」なのかもしれません。
そんな癒やしのアイテムが、今ではメルカリで2300円ですよ!
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