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靖國の心

8月のこの時期、

東京滞在の最終日に靖国神社に参拝してきました。

強い日差しに蝉の鳴き声。

鳥居をくぐると青々と茂る桜の木の葉。

終戦記念日の近いこの時期になると毎年私たちの心は、昭和のあの頃に引き戻されます。

私にとっては実際に生きて経験したわけではないにも関わらず、懐かしいあの時代です。

 

自分で経験せずとも日本の先人たちが、祖父母たちが、強烈な思いを刻んだ特別な時代でした。

その時、民族として私達の祖先がどんな思いを生きたのか、何を見たのか、その精神史を紐解いて自分の歴史につなぐという作業を数年前から続けています。

その一環として、ここ靖國神社にはできる限り足を運ぶようにしています。

 

戦死者を英霊として祀るこの神社に参拝することは、思想的にも感情的にも政治的にもいろいろと複雑なものがあるものです。

私もなんとなくそんなイメージに引っ張られて、40歳手前になるまで参拝することなく避けてきました。

でも、ある時ふと思い立って靖國の鳥居をくぐってその先の氣に触れた時に何が起こったか。その時の衝撃を未だに覚えています。

 

涙が溢れて溢れて止まらなかったのです。

未だ神社の氣に触れて涙を流したのは、ここ靖國神社のみです。

 

思想や感情など抜きにして、ただ鳥居をくぐり拝殿に立ってその氣に触れてみると、

ここで祀られているものが何なのか。

それがどれほど尊いものなのか。

頭ではなく肌で感じ取れます。

 

大切な何かのために自分を明け渡す意識。

 

英雄の氣質。

 

それがここに祀られている氣です。

 

それは個人主義のこの時代には長らく忘れられていたにも関わらず、確実に私達の中にもある懐かしく誇らしい感覚です。

 

人間というものが大義のためにどこまで私心を排することができるのか。

どれほどまでに心を澄みきらせ志に整えられるのか。

私達の先人が示したその清廉潔白な在り方を、

人間の可能性を、

ここの氣は教えてくれています。

 

それに触れてしまうと、私達の心は喜びに震えます。

 

神社の中には戦死者の遺書が毎月掲示されています。

今月は次のようなものでした。

24歳の青年が実際に残した遺書です。

目を通して、その心の有り様に触れてみてください。

肚(ハラ)に迷いのない青年の澄み切った心と、どっしりとした中心軸が伝わって来ますね。

 

戦争が起こったあの時代ほど日本人の祖国を思う心が、家族を思う心が尊く輝いた時代はありませんでした。

戦争を美化するつもりはありませんが、戦争を反省するのと同じくらいにはこの先人の残した偉大さと人間の可能性を受け取りたいと私は思います。

 

祖国が失われることを恐れ、祖国の存続を夢見て命を差し出した先人達の希望の中を生きているのが今の自分であるということを、知っておきたいと思います。

 

靖國で祈り手を合せて、そこに祀られた氣に触れると私達の心は共鳴し、先人の示した心の在り方を受け取ることができます。

それと同じものが私たちの中にもあることを思い出させてくれます。

私は靖国神社に参る度に、私心無く志に意図を結ぶような在り方に自分を調整してもらっています。

それができる貴重な場所。先人の薫陶を受けられる場所。

それがここ。靖國神社です。

 

実際にここを訪れたら、拝殿に立って手を合わせて次のように祈ってみて下さい。

祖国のために命を捧げた人達の大義に心を合わせて、

 

『あなたたちが命をかけて守ったこの大地を私は生きています。

 

あなたたちが命をかけて守ったこの国は今も存続し、栄え続けています。

 

あなたたちの誇りが、潔い心が、私の中にもあります。

 

私は日本人です。

 

あなたたちが命をかけて守ったもの。

 

未来へと残した希望。

 

それがこの私の命です。

 

ありがとうございます。ありがとうございます。

 

私は今、自分の命の重さを知ります。

 

そしてこの命を良きことに使っていきます。

 

この国が、この世界が、大切な人達の心が、

 

安らけく平らけく続きますように。

 

そう祈る時、自分の心の奥底に何が起こるのか、

是非ご自分の肌と境地で体験してみてくださいね。

 

先人が命をかけて守り、夢に見た未来の日本を私たちは今、生きています。

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