昨日の夜中の2時。
憂鬱映画を見るにうってつけな気分になって(笑)テレビのブラウザ上でAmazonプライムビデオのコンテンツを物色していたら、
『さよなら渓谷』という日本映画が、今の自分にぴったりな気がして、
実際に観てみたら自分の好みドンピシャ。
男女のどうしようもない業の深さと不可解さ…という大好物のテーマで、大満足で眠りについたわけだけど、
それにしても思うのです。
DVDを所有するわけでもレンタルするわけでもなく、家にいながらにして数千のタイトルの中から今の自分の気分にピッタリの映画を選んで、即再生することができる、このAmazonのサービス。
それがプライム会員は無料(つまり月額にすると325円)って、本当にそれで良いのだろうか。
更に最近お気に入りのAmazonMusicというサービス。
こちらも同じくプライム会員は無料で100万曲超の楽曲を再生し放題。
気分に応じたジャンルを選択すると自動的に楽曲が再生され、好みでなかったらスキップすると新しい曲に変わる。
良いと感じた曲はいいねボタンを押すと、その人の好みを学習して再生リストが最適化されていく。
気に入ったタイトルをストックして後で再生することもできる。
(ちなみに今、ボサノバのジャンルで再生していたら、聞き覚えのある日本人ヴォーカルで、誰?と思ってジャケットを見たら初音ミクだった(笑))
Amazon恐ろしいですね。
TSUTAYAやGEOのビジネスモデルを無効にしてしまう力がある。
そういえば先日TSUTAYAに行くと、CD旧作レンタルを10枚1000円のサービスをやっていて、安すぎるやろ!と驚いたのだけど、
店員に聞いてみると、一時的なキャンペーンではなくこれからもずっとこの値段で行くと言う。
TSUTAYAは映画などのDVDの旧作もいつのまにか100円になっているし、GEOは50円だったり。
ここまで来ると、本当にソフトを販売するようなビジネスモデルは終わったのだなと思う。
映画や音楽は人類共有のリソースとなり、月々数100円で一生かけても消費しきれない量の作品にアクセスできる。
えらい時代になりました。
所有するということが、どんどん滑稽な行為のようになっていくのだろうか。
もはや自分のハードディスクにすら所有する必要が無くなってしまった。
そして今、これを書いている部屋の窓から見える景色、僕の心を癒やしてくれる木々の緑も僕の庭のものではなく、他所の家の庭の木々なのだから(笑)
『隣の芝は青い』ということわざの持つ意味はとても20世紀的なもので、
21世紀を生きる僕らは、自分の庭など持たずとも隣の芝の青さを堪能できることを隣人に感謝しつつ、
全ての庭仕事から開放された心の自由を楽しむ、というのが正しい在り方なのかもしれない。
自分で所有するという古い観念からするりと脱皮してみれば、僕らは既にとてつもなく豊かなのだということに気付く。
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